
かわいくて自慢のトイプードル。
抜け毛もニオイも少ないから、とても飼いやすいと人気です。
でも、
- 「トイプードルを飼い始めてから犬が臭い」
- 「目の周りの毛が変色していて気になる」
- 「ずっと涙を流しているけれど大丈夫?」
- 「このまま様子を見ていていいのかな?」
トイプードルを飼ってみて初めて分かることがたくさん出てきて、不安になりますよね。
インターネットで調べて「涙やけかも」と思っても、自己判断で愛犬の目の周りを触ったり拭いたりするのは怖いですよね。
愛犬の異変に気が付いたら獣医師に相談することが基本です。
しかし、
「たまたま休診日のときに愛犬の異変に気が付いた」
「今は夜中で動物病院が開いていないのでネットで検索した」
という方もいると思います。
私もペットを飼っているので、その気持ちは痛いほどに分かります。
この記事では、トイプードルの涙やけの原因と症状、そして、家庭でも簡単に出来る涙やけ対策を紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
「涙やけ」の症状について
トイプードルの涙やけとは、どんな症状でしょう。
トイプードルの涙やけの主な症状として、目の周りの毛が涙の跡で焦げ茶色に変色していることがあげられます。
いつも涙を流していると、顔に涙の跡ができます。
毛についた涙は酸素に触れて、酸化すると焦げ茶色に変色。
よくトイプードルの目の周辺にくっきりと焦げ茶色のすじができているのを見かけます。
これが「涙やけ」とよばれる症状です。
涙やけは粘り気が出てくると臭くなることもあります。
また、長い時間涙で濡れた毛は皮膚に炎症を起こすことがあります。
濡れたまま放置することで雑菌がたまり臭いニオイを発するようになるのです。
トイプードルの涙やけに気がついたら、こまめに拭き取り、清潔をこころがけましょう。
トイプードルが「涙やけ」にかかりやすい理由とは?
トイプードルは涙やけにかかりやすい犬種といわれています。
なぜトイプードルは涙やけにかかりやすいのでしょうか。
トイプードルが涙やけにかかりやすい理由は大きく分けて3つあります。
- 生まれつき鼻涙管が狭いこと
- 長毛種であること
- 目が大きいこと
一つずつ、詳しく解説していきます。
1.生まれつき鼻涙管が狭いこと
トイプードルやマルチーズは、生まれつき鼻涙管が狭い犬種です。
鼻涙管とは、目頭にある小さな穴で、たくさん分泌された涙を鼻へ流す管のこと。
泣くと鼻水が出るのは、鼻から涙が流れているためです。
トイプードルは、涙を鼻へ流す鼻涙管が生まれつき狭く、涙の排泄の調節がうまく出来ないのです。
たくさん出た涙を鼻の管へ送ることが出来ないので、目で涙が留まったままになります。
そして、瞬きするたびに溜まった涙が目から流れていくのです。
トイプードルが常に涙を流している原因は鼻涙管かもしれません。
2.長毛種であること
トイプードルが長毛種であることも、涙やけにかかりやすい理由として考えられます。
長毛種の犬は、体も顔も長い毛で覆われています。
伸びた毛が目に入ることで目に刺さり、涙が出てくるのです。
長毛種の犬で涙やけにかかりやすい犬種としては、トイプードルをはじめ、チワワやマルチーズ、シー・ズーなどが挙げられます
長毛種の犬は、トリミングサロンで毛を定期的にカットするはずです。
定期的なカットはおしゃれのためでもありますが、目に毛が入るのを防ぐ目的もあるのです。
トイプードルの涙やけは、長毛種であるからこそ起こしやすい症状といえます。
3.目が大きいこと
トイプードルの特徴といえば、大きな瞳です。
小さな顔に、クリッとした大きな瞳は、とても愛らしく見えます。
しかし、大きな瞳にはゴミやホコリ、毛が入りやすくなります。
犬は外で散歩をすることが大好きです。
地面や花のにおいを嗅いだり、仲間と触れあったりするときに、目にゴミが入り、涙が出るのです。
ハウスダストもトイプードルの目には刺激になります。
トイプードルと一緒に暮らしている部屋は、常に清潔を保つことで症状を抑えることができます。
トイプードルのかわいい特徴である大きな瞳も、ホコリりが入りやすく涙やけの原因となってしまうのです。
涙やけの原因としては他にも
- 加齢
- 目の病気
- アレルギー
なども考えられます。
トイプードルの涙やけが気になったらまずは獣医師に相談しましょう。
「涙やけ」の原因とは?
トイプードルの涙やけの原因には「先天性」と「後天性」の二つの原因があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
先天性による涙やけの原因
トイプードルの先天性の涙やけは、生まれつき「涙小管(るいしょうかん)」が細いことが原因です。
「涙小管」とは、瞼(まぶた)の内側にある短い管のこと。
涙は「涙小管」から出てきます。
トイプードルは、生まれつき涙小管が細いので、涙がスムーズに流れてきません。
毎日ちょっとずつ出てきた涙が目から溢れ、鼻涙管も狭いので涙が鼻を通って流れていくことができず、涙やけを引き起こしてしまいます。
後天性による涙やけの原因
トイプードルの後天性の涙やけの原因は、鼻涙管に老廃物が溜まることでおこります。
たくさん出た涙は、鼻涙管から鼻を通って外へと排出されていきます。
この鼻涙管が老廃物で詰まってしまうと、涙が排出出来ないので、涙やけの原因となってしまうのです。
また、目に入ったまつ毛やホコリ、ドライアイなども涙やけの後天性の原因となります。
トイプードルの涙やけの原因や「先天性」または「後天性」かは、獣医師に診察をしてもらってから判断しましょう。
まつ毛や目の周りの毛が目に入っている
目の中にまつ毛や毛が入ってしまうことがトイプードルの涙やけの原因となることもあります。
トイプードルは毛が抜けにくい犬種として人気ですが、長く伸びた毛は目には入り炎症の原因になります。
目の中にまつ毛や毛が入ることを防ぐには、サロンでお手入れをする、飼い主が顔周りの毛を短くカットするなどの工夫が必要です。
目や鼻の病気
トイプードルの涙やけには目や鼻の病気が隠れていることもあります。
目や鼻の病気について説明していきます。
<目の病気>
【異所性睫毛(いしょうせいしょうもう】
まつ毛の向きがおかしな方向に向かって生えていること。
これによって、目にまつ毛が刺さり涙が出ます。
【結膜炎(けつまくえん)】
目に入ったゴミやホコリ、アレルギーなどでおこる。
目の結膜が炎症をおこすことで、目やにや涙などの症状を起こします。
目やには独特の臭いにおいを発します。
【角膜炎(かくまくえん)】
目の表面を覆う角膜が炎症を起こしていること。
炎症が起きているので涙が出ます。
<鼻の病気>
【鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)】
目から出た涙を鼻へと流す管が、閉じてしまったり狭くなること。
涙が鼻から外へ排出できないので、目から溢れてしまいます。
【鼻炎(びえん)】
鼻水やくしゃみなどをおこします。
鼻の粘膜が炎症を起こしているので、涙が鼻の中を通って外に出られなくなり、涙が流れてしまいます。
目と鼻はつながっています。
「涙が出ているから目の病気だ」と思い込まずに、獣医師の診察を受けましょう。
ストレスがたまっている
トイプードルは、ストレスで鼻涙管が詰まってしまうことがあります。
犬は環境の変化に弱い生き物です。
突然の引っ越しや結婚、出産など、犬にとって予期せぬ出来事がおこった時に、大きなストレスを抱えてしまいます。
アレルギー
トイプードルの涙やけには、アレルギーが原因ということも考えられます。
犬のアレルギーは、フードや花粉、ノミなど、いろいろあります。
症状としては、結膜炎といった目の炎症です。
アレルギーに関しては、飼い主の判断は難しので、必ず獣医師に相談して、適切な治療を受けましょう。
質の悪いドックフード
質の悪いドッグフードも、トイプードルの涙やけの原因になります。
高カロリー、高タンパク、添加物の入ったドッグフードは、慢性的な涙やけを引き起こすことも考えられます。
高カロリーなフードを食べている犬の涙やけは、ドロドロとして臭いニオイを発します。
トイプードルの涙やけが気になったら
- 無添加ドッグフードに切り替える
- 低カロリーなフードを選ぶ
- 獣医師に相談し、推奨のドッグフードに変える
などの対策が必要です。
水分が足りていない
水分不足も、トイプードルの涙やけの原因となります。
水分不足でおしっこが出ないと、体の中の老廃物が外に排出されません。
体に溜まった老廃物は、涙と一緒に目から出てくるようになります。
このときに出てくる涙は老廃物を含んでいるのでとても臭いのです。
犬が1日に必要な水分摂取量は、体重1㎏に対して50~60mlといわれています。
飲み水で足りない分はウェットフードやおやつで補いましょう。
また、水分の摂取量がたりないと熱中症の危険もあります。
いつも清潔な水が飲めるように、部屋の数か所に水飲み場を設置するなどの工夫が必要です。
おすすめの「涙やけ」対策
かわいいトイプードルの涙やけ、少しでも改善してあげたいですよね。
飼い主ここでは飼い主さんが自宅でも簡単にできるトイプードルの涙やけ対策を紹介します。
拭き取り
ティッシュペーパーやコットン、ガーゼ、綿棒などの柔らかい素材のものを用意します。
【涙やけが柔らかいとき】
トイプードルの鼻のあたりから目頭に向かって軽く押し上げるように拭き取っていきます。
このときに、ティッシュペーパーや指などが目に入らないように注意してください。
軽く押し上げて拭き取るということがポイントです。
涙やけを拭き取りながら、涙管のマッサージも一緒にできるので、涙やけの予防につながります。
【涙やけが固まってしまったら】
トイプードルの涙やけがコチコチに固まってしまったら、市販の専用クリーナーを使って優しく拭きとっていきます。
水道水やぬるま湯では塩素が入っているので、デリケート目の周りには刺激がありおすすめしません。
また、アルコールが入ったウェットティッシュは、目に刺激が強いので絶対に使ってはいけません!
犬は目の周りを触られるのを嫌がることもあります。
万が一、犬が飼い主に噛みついてしまっては大変です。
「涙やけのケアが初めて」という方は、獣医師に相談しながら愛犬に適した涙やけケアをおこなってください。
カット
トイプードルは、トリミングサロンで定期的に毛をカットしていると思います。
しかし、ちょっと毛が伸びただけでサロンに行くのはお金も時間もかかります。
そんな時には小さなハサミを用意して、顔周りだけでも短くカットする方法もあります。
動画サイトでもトリマーさんや獣医さんが、お手本を見せながら教えてくれているサイトもたくさんあります。
気になる方は参考にしてみてください。
ご飯
トイプードルの涙やけ対策には、フードを無添加、低カロリー、に切り替えることもおすすめです。
獣医師推奨のフードもあるので、まずは獣医師の診察を受けてから、フードの切り替えをおこないましょう。
マッサージ
涙やけには、マッサージもおすすめです。
トイプードルのマズル(鼻先)を両手で軽くつかみます。
親指で、マズルのから目頭、目頭殻マズルへと数回優しく往復させます。
このときに、トイプードルの目に指が入らないように注意してください。
マズルを掴まれることに慣れていないトイプードルには、トリマーさんからのアドバイスを受けてからおこなうようにしましょう。
ストレス発散
トイプードルは、ストレスが原因で鼻涙管が詰まってしまうことがあります。
これが涙やけの原因となります。
ドッグランに連れて行く、一緒に遊ぶ、ストレス解消グッズを使うなど、上手にストレスを発散させてあげましょう。
動物病院
「涙やけ」とひとことに言っても、その原因や症状はトイプードルによってさまざまです。
目から涙や目やにが出ていると感じたら、自己判断をせずに、まずは獣医師に相談しましょう。
そのためにも、日ごろから相談しやすい動物病院をかかりつけ医としておくことがとても大切です。
「些細な症状でも連れてきて下さい」と言ってくれる獣医師なら、安心して診察を任せることができます。
「涙やけ」ケアするときに注意しておくこと
トイプードルの涙やけのケアで注意しておくことは3つあります。
- 嫌がる犬に無理矢理ケアをしない
- 毎日こまめに拭き取る
- 涙やけに気が付いたらまずは獣医師に相談する
まずは1から説明します。
1.嫌がる犬に無理矢理ケアをしない
嫌がる犬に無理矢理ケアをすることは、飼い主とペットとの信頼関係を揺るがしてしまうかもしれません。
嫌がっている犬に無理に拭き取りを強制すれば、暴れて噛みついてくる恐れもあります。
やさしい声で呼びかけたのに、無理矢理嫌なことをされたと思えば、飼い主への不信感は増すばかり。
他のしつけまで出来なくなってしまいます。
「嫌がったら止める」これはペットのしつけの鉄則です。
2.毎日こまめに拭き取る
愛犬にフードをあげる前や、遊びやしつけなどのコミュニケーションの時間に、涙やけをサッと拭き取ります。
こうしてこまめに拭き取ることで、涙やけがひどくなるのを防ぐことができます。
はじめは大変かもしれませんが、習慣化すれば毎日できます。
3.涙やけに気が付いたら、まずは獣医師に相談する
涙やけは、目や鼻の炎症が原因となっていることも考えられます。
自己判断はせず、まずは獣医師に相談することが大切です。
獣医師にかかるときには、小さなノートに「症状に気が付いた日にち」と「うんちとおしっこの状態」、「くしゃみなどをしているか」などをメモしていくとよいと思います。
また、普段食べているドッグフードのメーカーもメモしておくとと、よい判断材料となります。
トイプードルが臭い原因は涙やけ?涙やけの症状や原因·対策·注意点|まとめ
今回はトイプードルが臭い原因と涙やけについてまとめました。
トイプードルは、涙やけになりやすい犬種です。
涙やけの原因はたくさんあり、飼い主の自己判断は難しいこともあります。
飼い主さんが出来ることとしては、こまめなトリミングで顔周りの毛を短くカットすることです。
また、飼い主よりも詳しいトリマーさんにアドバイスをもらうことで、愛犬の症状を和らげてあげることもできます。
しかし、目と鼻はつながっているので、涙が出ているから目の症状と思い込まずに、必ず獣医師の診察を受けてください。
私も過去に犬を飼っていた経験があります。
かかりつけにしていた獣医師が「ペットは人間よりも体が小さいから、些細な症状でも放置したらよくない。すぐに連れてきて。どんな軽症でも絶対に断らないから」とアドバイスをくれたことがあります。
愛犬の様子がいつもと違うと感じたら、まずは獣医師に相談しましょう。